ものづくりエンジニアの徒然日記

のんびりゆるーく気になったことやメモ書き代わりに更新したい。

黒川温泉旅行記

旅行準備

2022年1月4日の予定が空いたことで元日に急遽、温泉旅行のスケジュールを立てた。目的地は黒川温泉となったが、冬の山を走行するには我が家の車の装備では非常に困難であった。そこで1月2日に近所のカー用品店を回るもことごとく年始のお休みで閉まっていた。Google先生に開店しているカー用品店を聞いてその店に行くも直近の火事で営業中止中だった。結局同系列店の別店舗に1時間以上かけて駆け込み、最低限の装備ではあるがタイヤチェーンを購入した。タイヤチェーンが購入できたことで旅館の予約を妻が確定させ、着替えとタオルを用意して温泉旅行の準備が完了した。

往路

旅行当日、妻の仕事帰りに妻を最寄駅で拾って温泉旅行開始。元々、妻の仕事が定時で終わる予定でチェックイン時間が間に合う旅館を予約していたが、想定外のお客さんの対応で妻が残業となってしまった。この時点で旅館側にはチェックインに遅れる旨を伝え、了承していただいた。最寄りのインターチェンジから九州自動車道に乗り鳥栖ジャンクション大分自動車道に入り、玖珠ICまでノンストップで運転した。玖珠ICを降りるとそこからはほとんど山道で街灯のない山道を延々と進んでいった。夏の豪雨により土砂災害の復興が完了していない道路もあり仮設信号も散見された。街灯が全くなく星明かりと車のヘッドライトしか見えない状況。ヘッドライトがロービームだと物理的に一寸先は闇状態である。助手席に座る妻が星が綺麗だと車窓から空を眺めてテンションを高めていた。一方私は路肩に雪の残骸が残っているのを見つけて路面凍結にビビりながらも遅刻予定時間に間に合うようにと運転をしていた。無事、旅館には伝えていた時間に間に合って到着した。

はげの湯温泉

今回宿泊した旅館の名前は「やすらぎの宿 まつや」。黒川温泉の旅館の予約を取ろうと思っていたが、直前であったこととチェックイン時間の制限が難点となり、はげの湯温泉の旅館に予約した。黒川温泉からは車で移動する分には比較的近く問題なかった。この旅館の女将がとても親切な方で、チェックインに遅れたにも関わらず、「露天風呂の消灯時間を30分遅らせるので露天風呂にゆっくり浸かってください」と気遣っていただいた。チェックインの説明で「カップラーメンとビール、お茶はサービスで置いていますのでご自由にお召し上がりください」という旨を伝えられ、さらには領収書の発行もチェックインで行われて驚いた。おそらく近くにコンビニや飲食店がない旅館の計らいのサービスで客室で追加料金がかからないためだと思う。しかしそれで素泊まりとはいえ20,000円(大人二人)は安いと思った。チェックインを終えて早速客室へと足を運び、旅館の浴衣に着替え、この旅館の最も大きい露天風呂へと向かった。この旅館には4つの露天風呂と4つの内湯があり、その全てが家族風呂となっており、今現在は宿泊客のみに開放しているようだった。宿泊宿から少し歩いた離れに露天風呂があり、外套を2枚羽織っているとはいえ山の夜の外気は身震いした。凍えそうな冷気と強めの硫黄の香りを感じながら脱衣所へ向かった。脱衣所は小屋になっているとはいえ、外気温とほとんど変わらないため衣類を脱いで温泉に浸かるまでは寒さに耐える必要があった。しかし温泉に浸かってしまえばその冷たい空気も気持ちよく感じた。月明かりもない真っ暗な夜空を見上げ、普段見えない満天の星空眺めながらゆっくりと温泉に浸かっていた。街中でもよく見えるオリオン座の周囲にある普段見えない星まではっきりと見えてオリオン座の星ってどれだっけ?と迷うほどであった。温泉に目を向けるとたくさんの湯の花が舞っていた。時折、温泉の縁に座って体を冷やして、冷えてきたら温泉に入ってとのんびりとした時間を堪能した。温泉を上がるとまともにとってなかった夕飯の代わりにカップラーメンを食した。その後に流星群が見えるかもということで外に出て私が一人の時には流れ星がすーっと流れるのが見えたのだが、妻と空を眺めているタイミングで流れ星を観測することは出来なかった。妻がリベンジと言わんばかりに明日は早起きをすると言ってそそくさと床に就いた。翌日、結局起床は6時であったがまだ外は暗くリベンジ兼朝露天風呂ということでお風呂の準備をして外に出た。朝はより一層冷えており星空をあまり眺めることなく温泉へと向かった。昨日とは異なる温泉はと入ったが、屋根が覆いかぶさる形でありあまり広い範囲の空を見ることができなかった。さらには朝方は少し曇っていたようで星もあまり見えなかったので凍える前に温泉に入ってしまったのは正解だったかもしれない。夜も明けてきたところで第一弾朝風呂を終わり宿へと戻った。宿のロビーで少しくつろいでから第二弾朝風呂へと向かった。また異なる露天風呂へと向かい、夜明けの温泉を愉しんだ。最後の露天風呂は2番目に広い温泉で2人で貸切で使うにはもったいないくらいの広さがあり、軽く泳げるくらいであった。日も昇り完全に明るくなったところで宿へと戻り、黒川温泉へ向かうための準備を始めた。9時過ぎ頃には出発の準備ができ、チェックアウトした。宿を出る時に女将さんが温かい飲み物とカイロをくださり本当に親切にしていただいた。車に向かうと車のフロントガラスは結露で凍っていた。エンジンの加熱とフロントガラスの氷の溶解を少し待ってはげの湯温泉を後にした。

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【公式】やすらぎの宿 まつや|7つの客室に8つの湯処

黒川温泉

はげの湯温泉から黒川温泉の黒川温泉観光旅館協同組合までは十数分で着いた。

黒川温泉公式サイト|熊本・阿蘇の温泉地

到着するとすぐさま入湯手形を購入した。この手形で3ヶ所の露天風呂に入ることができ、有効期限は半年もあるので入りきれなかった場合は半年以内にまた来れば良い。黒川温泉に来るのは初めてなのでとりあえず駐車場の近くを徘徊することにした。後から気づいたが初手の行き先方向を間違えており、山下りから始まることになった。坂を下ると川があり、川の上にはダイソン球のような形状をした電球の周りに竹の球を宙に吊るしているものや竹に模様を彫り中に電球が仕込まれているものがたくさんあった。川沿いに歩くと川端通りという通りに出ていかにもな温泉街へと変貌した。

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適当にどんなお店や旅館があるかを見ながら散策しているとちゃんとした階段が駐車場へつながっていることがわかった。駐車場の周辺の土地勘を得たところで妻も私もお腹が空いていたので何か食べることにした。散策した時に見つけていた洋菓子屋さん(パティスリー麓)のシュークリームをインスタで見たことあると妻が言っていたのでそれを購入した。クッキー生地が乗っているシュークリームでサクサクして美味しかった。

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それだけでは空腹は満たされなかったが、少し散策して赤牛肉のカフェレストラン(わろく屋)に目星をつけた。しかし開店時間が11時からで少し時間があったのでまた散策。黒川温泉には猫が多く、猫の写真を撮ったりお土産屋さんを覗いたりして過ごした。

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時間になるとわろく屋に入店し、妻が赤牛重(10食限定)、私が三種のカレーとローストビーフ定食を注文した。カレーには牛すじがよく煮込まれており、三種とも違ったスパイスの味わいで美味しかった。最も黄色みがかったカレーはスパイスに生姜が使われており少しびっくりした。ローストビーフも柔らかくカレーと共に美味しくいただいた。ランチを食べ終えると洞窟温泉がある新明館へ向かった。妻が言うには先代のご主人が洞窟を鑿(のみ)と槌(つち)で手彫りしたのだとか。調べると「たびらい 熊本観光情報」に記載がありました。( https://www.tabirai.net/s/sightseeing/column/0002780.aspx ) 洞窟温泉に入ると洞窟の入り口に脱衣所(衣服を入れる籠)があったが、ここで服を脱ぐのか?というくらい入り口から浅いところで少し困惑した。脱衣せず少し奥に入ってみると温泉があり、たしかにそこが脱衣所であることを認識した。ちなみによほど悪意のある第三者が侵入してこない限り覗かれることはないと思うが女湯も同じ感じだったらしい。洞窟温泉に入ると中は薄暗い灯りで照らされ、広めの浴場の奥にぐるっと一周できる細い温泉の通路がある作りとなっていた。通路の途中に2ヶ所人一人分が入れる小スペースがあり、その狭い空間で温泉を独り占めするかのようにくつろぐことができた (実際に温泉に入っている間他にお客さんがいなかったので独り占めしていたのだが)。男湯の方には岩戸風呂という露天風呂があり、洞窟温泉を堪能した後に露天風呂も堪能した。温泉を上がって妻が上がってくるのを囲炉裏のある待合所(?)で少し待って各々の感想を言い合って新明館を後にした。

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黒川温泉の湯あかりを楽しみにしていたが、日が暮れるまで少し時間があったので日本一の高さを誇ると言われる九重'夢'大吊橋へ向かうことにした。

九重'夢'大吊橋

紅葉の時期は人が多いらしいが、冬の九重'夢'大吊橋は人がまばらだった。駐車場は晴天で風も吹いておらず綺麗な景色を眺めながら気持ちよく橋を渡れそうであった。入場券を購入し、吊橋の入り口に行くと記念写真を撮って売ってる人たちがいて、無料のサービスもあるので撮るだけでもとのことだったので写真を撮ってもらった。残念ながら写真の購入はしなかったが無料の記念写真だけいただいて橋を渡り始めた。

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九重“夢”大吊橋公式サイト

橋の通路の真ん中には溝端の鉄格子のようなものが設置されており下が見えるようになっていた。歩みを進めると徐々に下の地面が遠のいていくのがわかった。橋の渡りはじめは高所による恐怖心が少しあったが谷底から最も高い位置にくると逆に谷底が鉄格子からよく見えず恐怖心が薄れていった。その最も谷底から高い位置付近に透明な床が一部設置されており、さすがにその上に乗った時は少し恐怖心を覚えた。さらに橋の中央部では強い風が常に一方向に吹いており耳が寒さで痛くなった。向かいの山際まで来ると風も収まり渡り切った。渡りきったところに展望台があったので展望台まで登り、山々の景色を眺めたが、その日の空気が少し霞掛かっており見渡すには少し残念な風景であった。山々の風景も満喫したところで今度は復路で橋を渡らなければならなかったが、往路で高いところに慣れたせいか全く恐怖心もなく景色を楽しみながら渡った。冬場で人も多くなく比較的自分達のペースで歩くことができた。お土産屋さんを少し見て回り、黒川温泉に戻ることにした。

黒川温泉(夕方〜夜)

黒川温泉の黒川温泉観光旅館協同組合に戻る前にそこからは少し離れた位置にある山河という宿に車で立ち寄って温泉に入ることにした。山河は宿で小さな街並みを作っているような旅館で非常に雰囲気を愉しめる宿であった。次来る時は是非とも宿泊してみたいなと感じた。露天風呂は木々が前眼にあるような感じで自然を間近に感じながらくつろぐことができた。ここも囲炉裏がある待合室があり、そこで妻が湯から上がってくるのを火に当たったり宿の景色を撮ったりしながら待った。

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黒川温泉 旅館 山河

妻が湯から上がってくるといよいよ日が暮れる時間となっており黒川温泉観光旅館協同組合の駐車場へと向かった。駐車場から川端通りに抜ける階段を下り、川沿いに歩いていると湯あかりの電球が点灯していた。しかし、日が暮れてきたとはいえまだ周りは比較的明るい。幻想的な景色になるにはもう少し時間がかかるようなので先に夕飯を頂こうということになった。まだ通っていなかった道を選択してお散歩しながらお食事処を探した。結局ぐるぐると回り回って駐車場の目の前にある豆腐屋さんで夕飯をいただくことにした。湯豆腐定食と揚げ出し豆腐を頼み、囲炉裏テーブルで冷えた体を温めながら料理がくるのを待った。お豆腐はしっかりとした硬めの豆腐で豆腐田楽、湯豆腐、揚げ出し豆腐を美味しくいただいた。食事を済ませるとすっかり日は暮れており、三度川端通りを訪れるとそこにはライトアップされて幻想的な空間が広がっていた。待ってましたと言わんばかりに三脚とカメラを携えて写真を撮っている人が数人いて、宿泊客、日帰り旅行客も写真を撮って感嘆していた。かく言う私もこの景色をカメラに収め、余韻に浸りながら帰路に着いた。


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復路

帰りの道もまた暗闇の山道を車で走っていた。帰りは高速を使わず下道で帰っていった。途中、山道で前方の車列に追いついてしまったのでその車列に合わせて走行していたのだが、また一台追いついてきた車があった。この車がなければ気持ちよく旅行を終えることができたのだが…。この車、なんとハイビームのまま後ろにビタ付けしてきたのである。ハイビームで目が眩むわ車間詰めてくるわで最悪。なんとか気づかせようとブレーキランプ点滅や前方車から車間開けてカーブでパッシングやら試行錯誤したが全く気付く気配がない。結局諦めてルームミラーは角度を逸らし30分近くハイビームでビタ付けされることになった。ドライバーを見ると中年女性のような風貌(暗くてよく見えない)で「これやけん女は💢って言われるんよ!」っていうのを妻と言い合っていた(もちろん車の機能を理解してまともな運転をする女性がいることもわかっている)。その後の道中、鹿と遭遇しぽふぽふしてそうな可愛らしい尻尾を見せながら山の中へと消えていった。それ以外の動物とは遭遇することなく知っている道に出るまではほとんど山道を抜けてきた。そして無事家に帰り着いてまた温泉に入りたいなぁと思った。