ものづくりエンジニアの徒然日記

のんびりゆるーく気になったことやメモ書き代わりに更新したい。

ニキシー管で何か作りたい Part1

昔買ったニキシー管が棚に眠っている状態なので何か作りたいなと思ってブログに記録を残そうと思う。

 

まずはニキシー管を光らせるための電源をどうしようか考えた。

元々考えていた候補としては二つ。
・AC100V をトランスで昇圧して 200Vを生成
・ACアダプタ出力を昇圧して200V生成

 

適当に参考回路を探してみた結果、手元にある555タイマーで作れそうな回路があったのでそれを参考にする。参考回路は下図のものでURLのリンクからそのページへ飛べる。

https://www.ledsales.com.au/kits/nixie_supply.pdf

この回路をLTSPICEにコピペ。
元の回路図は右から左に電気の流れを描いているが、個人的に見慣れないので左から右に流れるように書き直した。
また、便宜上R5とR4の間の信号名をVfbとしてQ2のベース信号に接続している。
ダイオードのモデルは同一シリーズで耐圧が大きい部品が公式で提供されていたのでそれを使用。(https://www.vishay.com/en/product/88755/tab/designtools-ppg/)
FETのモデルは見当たらなかったので実際に使えそうな部品を標準モデルの中から選択。
負荷はとりあえず10mAに設定してシミュレーション実行。

シミュレーション回路図

出力電圧 過渡解析結果

シミュレーション結果にカーソルを合わせて約256Vの出力が確認できた。
回路の動作を確認しながら頭の中でイメージしたものを保存用に記録しておく。
この回路の555timerに依存するFETのゲート電圧の特性を公知の式から算出する。
・発信周波数 f = 1.44 / (( R3 + 2 × R4 ) × C2 )  = 31.16kHz
・Duty = ( R3+R4 ) / ( R3 + 2 × R4 ) = 52.3%
昇圧回路の発信周波数は上記の結果、約31kHzとなっており、実際に555timerのOUT端子から約30kHz, Duty 約53% の矩形波が出力されることを確認した。

555timer OUT端子波形(出力電圧上昇中)

負荷が非常に軽いので不連続モードでこの回路が動作し、実際のドレイン電圧のON Duty は非常に短い期間となり、逆起電力による昇圧と負荷の消費電力が均衡したところで出力電圧が定まる。したがって負荷が重くなれば出力電圧は低くなるし、軽くなれば電圧は高くなる。※Q2を削除してシミュレーションでも確認済

ここでQ2があることによって軽負荷での電圧の無限上昇を抑制している。出力電圧が高くなるとR5とR4によって分圧された電圧がQ2のVbeを超え、Q2にベース電流が流れるようになる。ベース電流が流れるとコレクタ電流も流れ、555timerのCV端子の電圧上昇を抑制するはたらきを行うようになる。555timerのCV端子は内部回路の仕様上Vccの2/3の電圧となっている。
(参考URL:https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/166.html)
Q2が動作するようになることでCV端子の電圧が低くなる。CV端子電圧が低くなると内部オペアンプが動作するための閾値電圧が低くなり、閾値電圧に到達するまでの時間が早くなる。と同時にTRIG端子が接続されるオペアンプ閾値も下がり、2つのオペアンプ閾値の間隔が狭くなる。と、今理解した動作を言葉だけで書こうとするとわかりにくい…余裕があったらお絵描きするか…

 

多少間違っているところもあるかもしれないがざっくりとした動きのイメージはつかんだのでこれをベースに電源回路を作っていこうと思う。(今のところ丸パクリ)

 

シミュレーションで確認した内容で気になった個所をとりあえずメモ。
・電源ON時のLに流れる突入電流は最大3.2Apeak
・出力電圧上昇中の最大電流値は1.44Apeak
 →のこぎり波っぽいから実効値はとりあえず√3で割って0.83Arms
・出力電圧安定後の最大電流値は1.3Apeak
 →実効値:0.75Arms
・電源に理想ダイオードを入れて入力リップル電圧を確認:約19mVp-p
・入力コンデンサの電流は0.9Apeak
 →実効値:0.52Arms
・出力リップル電圧:約169mVp-p

 

少しアレンジしようとして、C2の容量を小さくしてスイッチング周波数を高めることでインダクタを小さくして小型化する、スナバ回路は電源効率落ちるから無くす、とか考えたけどEMC観点で問題が大きくなると嫌だなという思いもある。この回路がEMC観点で問題ないかどうかは全く持って定かではないが。とりあえず、シミュレーションでの動作確認はできたので実際の部品を構成して動作確認をしていきたい。理想としてはニキシー管の電源基板として作製し、制御基板を別途作成してそれとつなげることで動作するような何かを作りたい。とりあえず作りやすいのは時計になるのかな…

Part2 が書かれることに期待する。それでは ($・・)/~~~